マリノス大旗トラブルは何があった?クラブの使用制限と食い違う説明の経緯まとめ
結論:2026年9月、横浜F・マリノスのホームゲームで、大旗の使い方をめぐって周囲の観客とのトラブルが起きた。クラブは9月16日、対象者の大旗の使用を制限したと発表した。
当事者とされる人物の説明と、noteで公開された主張は食い違ったまま。クラブは具体的な経緯を公表しておらず、10月29日時点で追加の発表もない。
トラブルから現在までの流れ
| 9月13〜14日ごろ | ゴール裏の大旗をめぐるトラブルの動画や、応援をリードする人物に関する情報がSNSで拡散 |
|---|---|
| 9月13日 | 当事者とされる人物が自身のXで、書かれているような内容は事実ではなく、警察が事件化するような出来事は起きていないと説明 |
| 9月16日 | クラブが公式サイトで「観戦ルール・マナーの遵守のお願い」を発表。大旗の使用制限を明らかにする |
| 9月17日ごろ | 「大旗トラブルの事実関係」と題したnoteが公開され、これまでの説明と異なる主張が示される |
| 9月17日 | 当事者とされる人物がXを再更新。以前の発信について「配慮に欠けた内容とタイミングによって混乱を招く形となった」とした |
| 10月29日時点 | クラブからの追加発表はなし |
クラブの発表の中身
クラブは9月16日の発表で、次のように説明した。
- 直近の数試合で、周囲の観客への配慮や適切なコミュニケーションがないまま大旗を使用したことに起因するトラブルが起きている
- 事実関係の確認を含めたコミュニケーションを経て、対象となる人たちの大旗の使用を制限するなど、必要な対応を行った
- 応援アイテムは2025シーズン途中から事前申請制だが、周囲への配慮とコミュニケーションをとったうえで使うことが大前提
一方で、いつ、どの試合で、何が起きたのか、何人が制限の対象になったのかは公表されていない。
食い違う二つの説明
9月17日ごろに公開されたnoteでは、負傷や当日のやり取り、警察やクラブの対応について、それまでSNSで示されていた説明とは異なる主張が書かれた。
当事者とされる人物はその後、自身の以前の発信が混乱を招いたとしたうえで、クラブの発表に伴い、クラブ関係者、警備関係者、大旗関係者、本人が対面して事実関係を確認したと説明した。
ただし、両者の説明には食い違う部分が残っている。noteにある負傷や暴力・恫喝などの記述は、現時点ではnote投稿者側の主張であり、J-SCOPEが事実と認めるものではない。同じく、当事者とされる人物の説明も本人の主張として扱っている。
SNSの反応
- 大旗の文化を支持する声:「大旗があるゴール裏だいすき」「旗を作るのも管理するのも振るのも何もかもが大変だと思うのでリスペクトしかない」など
- 観戦環境を重視する声:大旗で試合が見えにくい、という意見。拡散した動画を見て、過去にゴール裏で威圧された自分の経験を思い出したという投稿も
- クラブの声明への反発:スポーティングニュース日本版は、声明に「悪者みたい」「過去いち納得いかない」といった反発の声が出たと報じた
- 説明不足への疑問:「結局どんなトラブルで何が原因だったのか、はっきりしないと、これから大旗を出す人は何に気をつければいいのか分からない」という声
なお、これらはSNS上の意見であり、サポーター全体の意向を示すものではない。
神戸の大旗問題とは何が違ったか
大旗をめぐる問題は、他クラブでも起きている。ヴィッセル神戸では2025年8月30日、ホームの横浜FM戦で、サポーター席の大旗がピッチ上の選手に接触する可能性があった。
| 神戸(2025年) | 横浜FM(2026年) | |
| 発表 | 翌日に、何が起きたか、当事者の説明、措置を公表 | トラブルがあったことと、使用制限をしたことを公表。経緯は非公表 |
| その後 | 大旗の応援者が使用を一時自粛し、クラブと現場で安全性を検証。新しいルールで段階的に再開すると発表 | 追加の発表なし |
神戸は、大旗を振る側とクラブが一緒にルールを作り直す形をとった。マリノスの観戦ルールでは、一定サイズを超える旗の事前申請や、2階・3階席の前方から身を乗り出して振ることの禁止が定められているが、周りの観客とどう合意して振るのかまでは決まっていない。
論点:「何に気をつければいいか」が見えないまま
今回、クラブが詳細を出さないのは、当事者のプライバシーや、SNSでの個人の特定を避けるためとも考えられる。説明が食い違う中で、片方の主張を公式に認める形になることも避けたいはずだ。
ただ、その結果として、大旗を振る人も、周りで観る人も、何がトラブルの原因で、どうすれば防げるのかが分からないままになっている。大旗の文化を守りたい人にとっても、安心して観戦したい人にとっても、それは不安の種だ。
個人の経緯を明かさなくても、振る場所やタイミング、周囲の観客への声かけのように、運用のルールを具体的に示すことはできる。大旗のある光景を残しながらトラブルを防ぐには、神戸のように、ルールをはっきりさせることが近道になりそうだ。