ゴール裏の撮影・SNS投稿はどこまでOK?浦和レッズの注意喚起とJリーグのルール
結論:Jリーグのルールでは、スタジアムで撮った写真はSNSに投稿できる。動画も試合中のピッチ以外なら投稿できる。
一方で、ライブ配信と肖像権を侵害する投稿は禁止。浦和レッズが問題視したのは、応援の準備や片付けをしている個人を無断で撮影・投稿する行為だ。
浦和レッズが無断撮影に改めて注意喚起
浦和レッズは10月24日、「試合会場における撮影マナーと肖像権等の保護について」を発表した。以前から撮影マナーを呼びかけてきたものの、その後も来場者間のトラブルが断続的に起きているという。
発表では、FC東京戦とジェフユナイテッド市原・千葉戦で、応援アイテムの準備や片付けをしている個人が無断で撮影された事例を挙げた。クラブは撮影そのものを否定しているわけではなく、特定の個人を無断で撮影・投稿しないこと、映り込んだ人の肖像権に配慮することを求めている。
Jリーグのルールでは何がOKで何がNGか
Jリーグの試合運営管理規程では、本来、会場で撮った写真や動画は私的目的以外で使えない。そのうえで、2022年2月に施行されたガイドラインにより、一定の範囲でSNSやインターネットへの投稿が認められている。
| 行為 | 可否 | 補足 |
|---|---|---|
| 写真の投稿(試合中も含む) | OK | 他の観客の迷惑にならない範囲で |
| 動画の投稿(試合中以外) | OK | 入場前・ハーフタイム・試合後のスタンドの様子など |
| 試合中のピッチを撮った動画 | NG | ハーフタイムを除く |
| 大型ビジョンの試合映像を撮った動画 | NG | ハイライト映像も含む |
| ライブ配信 | NG | |
| 肖像権を侵害する投稿 | NG | 今回の浦和の注意喚起はここにあたる |
| 営利目的での利用 | NG | YouTubeの収益化やアフィリエイト広告による収益は、営利目的に含まれないとされている |
※撮影は立ち入りが認められた場所からのみ。投稿によるトラブルについて、Jリーグは責任を負わないとしている。
天皇杯はさらに厳しい
同じスタジアムでも、大会によってルールは変わる。日本サッカー協会が主催する天皇杯では、写真のSNS投稿は認められているものの、スタジアム内で撮影した動画はSNSへの投稿も配信もできない。リーグ戦の感覚で動画を投稿すると、ルール違反になるので注意が必要だ。
「ルール上OK」でも問題になるのはどんなときか
ゴール裏の写真や動画を投稿すること自体は、ルールの範囲内だ。問題は、その中に特定の個人が分かる形で映り込んでいるときだ。
- 特定の人を狙ってアップで撮る
- 準備や片付けなど、応援以外の場面を本人に無断で撮る
- 顔がはっきり分かる映像を、本人の同意なく公開する
浦和の注意喚起は、まさにこの点を問題にしている。スタンドの雰囲気を伝える引きの映像と、個人を「被写体」にした映像は、別のものとして考える必要がある。
SNSでは評価と実効性を問う声
浦和の公式Xの投稿は20万回以上表示され、さまざまな反応が寄せられた。
- クラブの姿勢を評価する声:「もっと強く注意喚起してほしい」「特定の人物を無断で撮影する行為は問題だ」
- 実効性を問う声:「注意するだけでは効果がない」として、投稿者の特定や入場禁止など、具体的な対応を求める意見
- 特定の動画投稿者を問題視する声:名指しで対応を求める返信も目立った。ただし、クラブが個々の投稿者の違反を認定したわけではない
発信する自由と、撮られない自由
ゴール裏の映像は、現地の熱気を知らない人がサポーター文化に触れる入口にもなる。その発信には価値がある。
ただ、Jリーグのガイドラインで投稿が認められているのは、あくまで「他の観客の迷惑にならず、肖像権を侵害しない」範囲だ。SNSで再生数が稼げる時代だからこそ、映る側の意思をどう尊重するかが問われている。
浦和の今回の発信は、撮る側・撮られる側の両方にとって、スタジアムでのスマホの使い方を見直すきっかけになりそうだ。